介護老人保健施設の特徴
介護老人保健施設は通称「老健」と言われ、医療ケアやリハビリを必要とする高齢者のための施設です。
特別養護老人ホームと同じく公的介護施設のひとつとして運営されており、通常の介護施設と異なり医療サービスに重点が置かれているというところに大きな特徴があります。
施設内部には医療機器が設置されており、自宅で十分な医療管理をすることができないという人を対象に入所をし、機能訓練などを行っていきます。
具体的には病院で手術などをしたあと一旦は退院になったものの、機能障害が残ってしまったため自宅で生活をすることが難しい人のために、その機能が回復するまでの住居として利用をすることができるでしょう。
介護老人保健施設で勤務をするスタッフにも看護師など医療関連の専門資格を持っている人が多く、他の病院施設やリハビリ施設に移動することなく、内部で回復を目指せるようになっています。
特別養護老人ホームと大きく異なる点が、介護老人保健施設では最終的に回復をして自宅に戻るということが前提になっていることです。
特別養護老人ホームでも介護老人保健施設でも、要介護認定を受けた人が内部で食事や排泄などのケアを受けるということでは共通しています。
ただ、特別養護老人ホームでは本人が亡くなるまでのケアを行うのに対し、介護老人保健施設では入所は一時的なもので、期間が過ぎたら退去をすることとなっているのです。
そのため特別養護老人ホームでは要介護3以上の人でないと入所ができないのに対し、介護老人保健施設では要介護1以上の人が対象とされています。
医師による医学的管理を受けつつ、作業療法士や理学療法士の指導のもと入所期間中の生活をしていくというのが特徴です。
利用するメリット
介護老人保健施設では、入所時にあらかじめ入所期間を定めることになっています。
原則として3~6ヶ月というふうにされていますが、平成26年度までの平均在所日数は100.6日となっていました。
老健を利用するメリットは、公的施設なので安く利用できるということで、本来であれば長期的に通院しながら行うリハビリを施設内で集中的にできるということも魅力です。
退所となった場合もそのまま契約が切れるのではなく、その後必要になるリハビリや看護について詳しくスタッフが説明をしてくれたり、場合により訪問看護をしてくれます。
退所にあたりケアマネジャーと相談することで、自宅の改修や福祉用具の手配といった準備も進められるので、いきなり放り出されるといった心配もありません。
ほとんどの老健施設では1部屋は4人部屋の多床室となっており、個室や2人部屋といった場所を利用する場合は別途料金が請求されることもあるので注意が必要です。